マイナスかけるマイナスはなぜプラスなのか12009年06月18日 19時26分

多くの人が疑問を抱く「マイナスかけるマイナスはなぜプラスなのか」である。

調べてみると様々な説明方法があるので、紹介していきたい。

プラスとは財産である、マイナスとは借金である、それなら借金かける借金がなぜ財産になるのか、そんなバカな話があるはずがない、などという疑問・不満・批判があるが、ちょっと冷静に考えると、その主張のおかしさはすぐにわかる。そもそも借金に借金をかけることなどあり得ない。

例えば、借金が3人に対して100万円ずつある場合は、マイナス100万円かけるプラス3人で借金は300万円(マイナス)となる。これはマイナスかけるプラスはマイナスという数学のルールと全く同じだ。しかし、100万円の借金(マイナス)と100万円の借金(マイナス)をかけることに何の意味もない。だから、マイナスをかけるということの意味が全く違うのだ。

純粋な数学的な証明ではなく、私でも理解できた日常言語での説明を紹介したい。

以下、『数学入門(上)』(遠山啓)の内容を私なりに説明してみた。

あるカードゲームがある。細かいゲームのルールは無視し、数の入ったプラスのカードとマイナスのカードがあるとする。例えば、プラス1、プラス2、プラス3...、マイナス1、マイナス2、マイナス3...などのカードだ。また、それらのカードを獲得することをプラスで表し、捨てることをマイナスで表すこととする。そして自分のもっているカードを合計して得点とする。

例えば、プラス2のカードを2枚獲得(プラス)すれば、プラス2かけるプラス2でプラス4得点となる。また、マイナス2のカードを3枚獲得(プラス)すれば、マイナス2かけるプラス3でマイナス6得点となる。では、プラス3のカードを2枚捨てたら(マイナス)どうなるのか。プラス3かけるマイナス2で、マイナス6得点となる。つまり6得点を損した(マイナス)ことになるわけだ。

さらに、マイナス2のカードを2枚捨てたら(マイナス)どうなるか。ここでマイナス2かけるマイナス2はプラス4とならねばならない。なぜなら、マイナス2のカードを捨てること(マイナス)は4点の得(プラス)となるからだ。

ここでは、捨てるという行為をマイナスにたとえるところがポイントだ。

まとめてみる。

プラスカードを獲得 プラスかけるプラス 得(プラス)
プラスカードを捨てる プラスかけるマイナス 損(マイナス)
マイナスカードを獲得 マイナスかけるプラス 損(マイナス)
マイナスカードを捨てる マイナスかけるマイナス 得(プラス)